1940年代、アルプスを眺めるイタリア・ベネト地方にてスタートした”フラテッリジャコメッティ(F.lli Giacometti)”。1890年代より祖父が始めたハンドメイドシューズに起源を持ち、1890年代、父と2人の弟子と共に、兄・ルイジ―ノと弟・ロベルトのジャコメッティ兄弟が祖父の家業のハンドメイドシューズを継ぎ、ブランドをスタート。本来、登山靴メーカーとして名を馳せた同ブランドは、急速な現代化の波に多くの登山靴メーカーが廃業する中、その丁寧な手仕事によって世界中の有名メゾンブランドのOEM生産をする腕利きメーカーとして生き残り、事業を拡大させた唯一のシューズメーカーである。兄・ルイジ―ノは仕上げラインと品質管理を担当し、22歳の若さで靴学校のモデリスト(型紙)講師も務めた弟・ロベルトは自社内縫製のコントロールを担当。兄弟で協力し合い、多くの技術者たちを束ねている。ブランド名はファミリーネームである「ジャコメッティ」と、英語で「Brother」にあたる兄弟の意味フラテッリ（F.LLI；Fratelli）から来ている。

“地域に根付いた手作業による靴作り、ハンドメイドシューズの文化を継承していくこと”がブランドのポリシーである”フラテッリジャコメッティ(F.lli Giacometti)”。イタリア国内外の高級タンナーと関係が深く、クオリティーの高い素材を使用することが可能で、そこに熟練した技術と組み合わせることで、足馴染みのいいラスト、シンプルながらエレガントな仕上がりのシューズを生み出している。他ブランドでは見ることのない豊富なバリエーションを持つエキゾチックレザー、同ブランドの名作として知られる「グレカサンダル」など、個性的かつ独創性の高いモデルが多く揃うのも魅力である。イタリアならではの男の色香を漂わすデザイン性の高さ、妥協のない靴作りにファンも多く、本格志向の玄人たちをも唸らせる完成度を誇っている。日本国内では直営店・公式ショップは展開されていないため、有名セレクトショップやデパートなどで、10万～20万円ほどの価格で購入することができる。

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