靴づくりの街で有名な、イタリア・ボローニャにて1929年に創立されたシューズブランド"ア・テストーニ"。創立者であるアメディオ・テストーニ氏は代々靴職人の家系に生まれ、下積みを経た後に「世界一美しい靴を作る」という夢を抱き、妻および4人の職人とともに高級紳士靴の工房をスタートした。ブランド名"ア・テストーニ（a.testoni）"の「a」は、アメディオのイニシャルに由来している。

第二次世界大戦の終戦から数年後、同ブランドの代名詞である「ボロネーゼ製法」が完成。177もの工程を経て作られる、非常に複雑な技術が必要とされる製法である。イタリアのマルケ地方に伝わる「マッケイ製法」を独自に発展・完成させたもので、裏革を袋状に縫い合わせ、半中底を使用しているため、柔軟性に優れた履き心地が良い靴に仕上がるだけでなく、他の製法に比べてデザイン面での自由度が高くなるため、この利点を生かした独特なデザインを生み出している。素材面においても、カーフはもちろんのこと、エキゾチック・レザーと呼ばれる、イグアナ、クロコダイルなどのユニークな皮革素材も得意としており、定番的に展開している。現在ではイタリアに留まらず、ヨーロッパ各国、アメリカ、アジア圏へと積極的にブランド展開を行っている。

銀座8丁目の中央通り沿い、おもちゃで有名な「博品館トイパーク」の通りを面して向かい側、天ぷらで有名な「銀座天國」の隣に「ア・テストーニ銀座本店」は存在している。同ショップは2003年6月に日本の旗艦店としてオープンし、今年で16年目を迎え（2019年現在）、銀座の街を彩り続けている。

ショップは１階がメンズ中心で、２階にはウィメンズのシューズやバッグ、そして極上のレザーを使用したレザーのジャケットなどもラインナップ。同ブランドならではの「ボロネーゼ製法」による快適な履き心地と、これぞイタリア！という美しいデザインに、見ているだけでも気持ちが上がってくる。

「ボロネーゼ製法」はライニングとインソールが一体となっており、袋状になっているために非常に足当たりが柔らかく、まるで靴下を履いた時のような軽さと履き心地を得ることができる。スニーカーのようにしなるので、「グッドイヤー製法」のように、革が馴染むまでの辛い期間はほとんどない。その半面、インソールの下がすぐに靴底であるため、穴があけば履けなくなる。耐久性においては劣る部分もある。

"ア・テストーニ"のシューズは、修理して履くには限界があるが、それでも、その履き心地には代えられないものがある。例えば、銀座の街を歩くためだけに求められる1足があるとすれば、軽くしなやかで、履き心地が良く、素材が良質で、デザイン性の高い、こういうシューズなのだろうと思う。
このブランドの靴が履き続けられることは、最高の贅沢なのかもしれない。

銀座を訪れた際には、ぜひこの履き心地を体験して欲しい！

ア・テストーニ 銀座本店
住所　東京都中央区銀座8-9-12 銀座リヨンビル1F・2F
電話　03-3575-8025
営業時間　11:00～20:00　日祝11:00～19:00
定休日／年中無休