ドイツのシューズブランド"トリッペン(Trippen)"は、1992年、靴職人のマイスター（特別技術資格者）で、医療用矯正靴などの製作にも携わっていたミヒャエル・エーラーと、それまでも靴や服のデザイナーとして活躍していたアンジェラ・シュピーツの2人が、ドイツ・ベルリンの小さなギャラリーで木製靴を展示したことから誕生した。ブランド名の「トリッペン(Trippen)」は『よちよち歩き』という意味で、昔の貴婦人は雨の日に、ドレスの裾が汚れないようサボのような靴でよちよち歩いていたが、トリッペンが最初に発表した「履けない木のサンダル」のコレクションは、その木靴をイメージしたものだったことに由来する。1996年・2000年の2度に渡り、本国シュトゥットガルトの国際デザインセンターからデザイン賞を受賞、米国や日本でも数々のデザイン賞を受賞している。2007年には、ヒールの高い新型ソールX+OS（エックスオー）コレクションが2つのデザイン賞を受賞、以来、ヨージ・ヤマモトをはじめとする高級メゾンのコレクション用シューズを手掛けたり、有名ブランドとのコラボレーションを展開するなど、インターナショナルな実績を持っている。

トリッペンのシューズの特徴は、人間工学に基づいた履き心地の良いシューズを展開していること。多くのシューズブランドが海外へ工場を移転する中、トリッペンはドイツの自社工場とイタリアの限られた工房のみで生産している。ファッショナブルかつシンプルなデザインと、機能美を追求する丁寧な靴作りで評価が高い。さらにこれまでに販売されたシューズの型には廃盤がなく、リペアして長く履くことが出来る点も大きな魅力で、まさに「一生ものの靴」である。