ブランドのなりたち
"ビルケンシュトック(BIRKENSTOCK)"は、ドイツの老舗シューズブランド。1774年、創始者ヨハン・アダム・ビルケンシュトック(Johann Adam Birkenstock)が教会の公文書に「臣王の靴職人」と登録され、靴ブランドとして「ビルケンシュトック」を設立。96年、ヨハンの子孫であり同じくシューマイスターであるコンラッド・ビルケンシュトック(Konrad Birkenstock)がフランクフルトに2件の靴専門店をオープン。足裏の凹凸に合わせた中敷、フットベットアインラーゲン(※)の製造を始める。1899年、 オーダーメイドシューズにフットベットを入れるというアイデアを発案。1913年、コンラッドの長男で整形外科医のカールが入社。カールはフットベットの進化とその医学理論付けを行い、医学的な側面からの靴作りに大いに貢献する。1915年、第一次大戦中、コンラッドはフランクフルトのフリードリヒスハイムの野戦病院で、負傷兵のための整形外科靴の製作に従事する。その靴とメカニズムは医学博士に認められ、その後、医学関連の雑誌も掲載される。これを機に医療部門から注文が相次いで入るようになり、ビルケンシュトックの靴は拡大していった。1962年、ソール部分はそのままにサンダル形状が発表される。これをヒッピーがファッションに取り入れたのを機に、ジーンズやTシャツなどラフな格好にビルケンシュトックを合わせるスタイルが生まれる。1989年、ソールメーカーのアルザ(Alsa)社をコンチネンタルグループより買収。アスバッハの工場でソールとコルクフットベットの生産を始める。1989年、シーズナルラインの「Boutique」から枝分かれしたブランド「パピリオ(Papillio)」をスタート。ブランド名は鮮やかな蝶=パピヨン(Papillon)に由来し、その名の通りシャイニーなカラーリングやカラフルなプリント、マルチカラーやコンビネーションカラー等多彩なデザインを揃えている。1993年、ウォッシャブルラインとしてスタートした「ビルキー(Birki's)」をブランド化。シャワーサンダルやガーデニング用スリッパ等水周りに特化したアイテムを展開していたが、近年ではフットベッドラインも扱っている。「ファン、ファミリー、スポーツ」という3つのキーワードの元、レジャーやアウトドアで活躍するアイテムが揃う。1995年、コンフォートシューズラインから別ライン「フットプリンツ(Footprints by BIRKENSTOCK)」が誕生。スニーカー、ブーツ、ドレスシューズ等フットウェアのフルラインナップが揃う。
"ビルケンシュトック(BIRKENSTOCK)"について
"ビルケンシュトック(BIRKENSTOCK)"のシューズは、踵からつま先にいくにつれ、幅広になっていくユニークなデザインが特徴で、ビルケンシュトックが人間工学に基づき靴作りを行なった。当時、中敷の土踏まず部分の盛り上りなどは非常に画期的なもので、靴を履いた時のフィット感や、歩いたときの追従性、吸湿性などを徹底的に追及した上に構築された形状だった。このスタイルには反発もあった。靴にファッション要素を求める人たちには受け入れ難い面があったのである。靴にファッション性を与える場合、つま先は鋭角となり、高いヒールで前傾形状となるものが多いのであるが、ビルケンシュトックの靴はこのようなスタイルに反していた。しかし医学的観点からは大絶賛を受ける事となり、第一次大戦中の負傷兵にビルケンシュトックの靴が支給されるなどのエピソードを残した。ヨハネス・アダム・ビルケンシュトックの理念と技術はその後、コンラッド、カールらが継承し、現在でも健康概念を根底に置いた開発コンセプト、「自然から遠ざかった人の身体を自然な状態に開放する」により、新素材を用いた運動性、快適性の向上アップを図った靴を世に送り出している。
※フットベット…足のベッドの意味。靴底に使用しているもの。衝撃から足を守り、歩き方を正しい姿勢に導いてくれる効果がある。スエード、吸湿性に優れた厚い麻、生ゴムを混合させた天然コルクなどを何層も重ねたフットベットが特徴。長時間歩いたときに足への負担を大幅に軽減する。
フッドベッドはグループブランドとして唯一の着脱式構造を採用し、個人に合わせて調節できる。