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スピングルムーヴ銀座店(SPINGLE MOVE 銀座店) ショップ紹介ー#19

2002年のブランド創設以来、「流行に左右されず、日本製にこだわり、個性的なデザインで時代のニーズに対応して勝負したい」との思いから、職人の手によって手間を惜しまずに作られるこの靴は、驚くほどリピーターが多い。「古くて新しい」ブランド、"スピングルムーヴ(SPINGLE MOVE)"。今回は、国内9店舗、海外1店舗を展開する(※)スピングルカンパニーの中でも、リピーターが多く訪れる銀座店のお話を伺った。※2019年1月現在

2002年のブランド創設以来、「流行に左右されず、日本製にこだわり、個性的なデザインで時代のニーズに対応して勝負したい」との思いから、職人の手によって手間を惜しまずに作られるこの靴は、驚くほどリピーターが多い。「古くて新しい」ブランド、"スピングルムーヴ(SPINGLE MOVE)"。今回は、国内9店舗、海外1店舗を展開する(※)スピングルカンパニーの中でも、リピーターが多く訪れる銀座店のお話を伺った。※2019年1月現在

目次

「借り物の格好良さは要らない。」スピングルカンパニーのなりたち

スピングルカンパニーの歴史は、1933年に広島県府中市で創業された日満護謨(ニチマンゴム)というゴム製造会社から始まる。戦前・戦後にかけてゴム草履やスニーカーなどのゴム製はきものなどを作り好業績を上げていたが、バブル崩壊後に危機を迎える。市場には安価な海外メーカー品が多く出回るようになっただけでなく、小売りチェーンの台頭で価格競争に陥りつつあった。そこで、生き残りをかけて国内産・高付加価値商品の生産に舵を切り、1997年4月スピングルカンパニーを発足。2002年に発表したプレミア・スニーカーブランドが、「スピングル ムーヴ(SPINGLE MOVE)」だ。「借り物の格好良さ」ではなく、自社の強みを活かし、履き心地が良く、流行に左右されないタイムレスなデザインを持ち、他社が真似できないようなオリジナリティを持つブランドを、との思いで作られたこのスニーカーは、ゴム技術のすべてを結集して作った「本当にいい靴」だ。そして、このスニーカーの発売とともに業績も好転していった。

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「古くて新しい」ブランド、"スピングルムーヴ(SPINGLE MOVE)"

スピングルムーヴの特徴は、「古くて新しい」ことだ。スピングルムーヴの靴は、今から180年以上前の1839年にアメリカの発明家チャールズ・グッドイヤーによって発明されたスニーカーの基本製法、「バルカナイズ製法」を採用している。スニーカーはソールと靴本体をくっつけて作られるが、そのくっつけ方の基本的な方法が「バルカナイズ製法」だ。この古くからある製法は、基本は手作業で行われるため効率が悪く儲からない。そのため、多くの靴メーカーはこれをやめ、設備も廃棄していった。しかし、昔ながらの職人が、昔ながらの工場で靴を作り続けていた同社ではこれが可能であった。そこで、この希少価値の高い製法を活かすことにした。また、その独自性をさらに高めるため、多様なレザー素材を使用していることも大きな特徴の1つだ。カンガルーをはじめ、牛、馬、豚、ラクダ、ゴート、シープ、クロコダイルなど、これほどまでに多様なレザー素材を使うスニーカーは、国内外を見渡しても他に類を見ない。

「基本的に、バルカナイズ製法とレザー素材は、熱がかかるという製法の特性上において相性が悪いんです。なので、あえてレザーに取り組もうというメーカーも少ない。非常に手間もかかって非効率なんですが、あえて挑戦することで、オリジナル商品としての価値が生まれてくる。」

そう話してくださったのは、スピングルカンパニー 企画部の田上秀一さん。

「すべてはオリジナリティのため。いろんな失敗もいっぱいありますけど(笑)、他社が模
倣できないものを追求していきたいという思いですかね。」

まず、自社にしかできない靴を生み出し続けたいという強い思いがあった。そして、自社の強みである熟練した職人が、1足ごとに丁寧に手作りで作ることに価値をつけ、試行錯誤しながら生み出したレトロモダンな1足が新鮮な輝きを放ち、「古くて新しい」スピングルムーヴのスニーカーが誕生したというわけだ。

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ソール(ゴム底)を、アッパー(靴本体)に巻き込むような独特のデザイン

スピングルムーヴのスニーカーといえば、ゴム製の巻き上げソールが特徴だ。これは以前、自社工場で製造していた体育館シューズからヒントを得てデザインされた。人は歩く際、足の指の付け根が屈曲するので、このようにつま先が反り上がったフォルムの靴は、非常に歩きやすさを感じることができる。快適な履き心地を実現するため天然ゴムを多く含有し、自社ゴム工場で熟練の技を持つ職人がゴムを調合することから手がけている。またアッパーに使う素材は、フィット感を感じられる足当たりの良いものを厳選。インソールには、化粧品のパフにも使われる柔らかな天然のラテックスラバーを採用。復元力が強く、快適な履き心地が長く持続する。さらに、踵のカウンターには革靴に使用される芯材を採用し、長く歩いても踵がぶれず、疲れにくい工夫が施されている。

また、最高の履き心地を完成させるのになくてはならないもの、それは、職人達の研ぎすまされた感覚だ。例えば、革をラストに沿って吊り込む作業は、シワが出ないようにするのはもちろん、履き口やソールの高さを左右合わせるためミリ単位の調整をせねばならず、職人の長年の感なくしてはできない。また素材が変われば、革の伸び方や加硫の際の縮み方も変わるので、豊富な知識と経験が頼りだ。80有余年、職人から職人へと引き継がれて来た経験値こそ、スピングルの宝と言えるだろう。

新製品の開発でも、まずは素材のテストを何度も重ねてからだという。高熱や炭化・縮み・変色など、様々な試験をクリアした、厳選された皮革のみを使うのだ。ブランドの特徴である、履けば履くほど味が出る、革の素材感や加工によって生まれる風合いは、想像以上の試行錯誤を重ねて初めて得られるもの。そして驚くほど屈曲性がよく履き心地がとてもいい。

また、スピングルのシューズは「長く履きたい」という顧客の要望に応え、補修・修理も行っている。その内容は、アウトソール修理や、インソール・ファスナーの交換など。長く履き続けるための手厚いメンテナンスも怠らない。

「弊社のシューズは5~6年位なら修理して履くことができます。長く履いているうちに足馴染みもよくなり、革にもどんどんいい味が出てくる。非常にコストパフォーマンスがいいと思います。」

銀座店では、多い時で1か月に50件ぐらい補修が入ることもあるそうだ。「いいものを、修理して長く履きたい」そんなスピングルユーザーを雄弁に物語る数字である。

「ここに来たらこれを履け!」銀座店・奥山さんおすすめの3足

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スピングルムーヴの銀座店は、銀座3丁目、中央通りから2本入った通りにある。
店頭に飾られている、大きなスニーカーが目印だ。
店内は奥行きがあり、カラフルなスニーカーがずらりと並ぶ。

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そんなスピングルのおすすめの3足を、銀座店の奥山さんに伺ってみた。

スピングルムーヴ銀座店 奥山和弘さん

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【1】SPINGLE MOVE 「SPM-110 Ivory」

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まずご紹介いただいたのは「スピングルムーヴ SPM-110」というモデル。

「スピングルの靴といえば、まずはこれです。レザーなのでスポーティになりすぎず、通年使えるモデルです。デザインもカラーもカジュアル過ぎず、活用シーンが広い。」

カンガルーレザー×巻き上げソールの定番モデルで、スピングルの中でもトップクラスの人気を誇る商品。多くの手作業が必要なバルカナイズ製法だからできるフィット感とともに、カンガルーレザーによる軽さと丈夫さが加わり、また、靴底の巻上げは手張りならではの強度と履き心地を実現。日本人の足に合うように設計された1足だ。柔らかく温かみのあるアイボリーはどんな装いにも合わせやすく、年齢・性別の区別なく、幅広く愛されている。

【商品情報】スピングルムーヴ SPM-110
https://www.spingle.jp/fs/sneaker/c/SPM-110
商品名:スピングルムーヴ SPM-110
価 格:17,000円(税抜
カラー:アイボリー
素材:カンガルー

【2】SPINGLE MOVE「SPM-442 Dark Blue」

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次に紹介してくれたのは、「スピングルムーヴ SPM-442」というモデル。

「ミドルカットでサイドゴアがついています。カンガルーレザーが柔らかく、スリッポンみたいに履きやすくて軽い。本当にこればっかり履いてる方もいらっしゃいます(笑)。」

人気のカンガルーレザー素材を使用したサイドゴアミドルカット。軽くて薄いカンガルーレザーを使用することで、ミドルカットでも圧迫感なく履くことができる。また、サイドゴアは脱ぎ履きしやすく、足首周りに程よいフィット感が感じられる。バルカナイズ製法で圧着するアウトソールの巻き上げを薄くすることで、見る人にすっきりスマートな印象を与えてくれる。

【商品情報】スピングルムーヴ SPM-442
https://www.spingle.jp/fs/sneaker/spm-442-darkblue
商品名:スピングルムーヴ SPM-442
価 格:20,000円(税抜)
カラー:ダークブルー
素材:カンガルーレザー

【3】SPINGLE Biz「Biz-128 Black」

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最後に紹介してくれたのは、「スピングルムーヴ Biz-128」。

「フォーマルとカジュアルのちょうど中間ラインのデザインなので、お仕事にもカジュアルにも使える。牛革なんですが、フェザータッチレザーと言って、特殊ななめしでやわらかくて、軽い履き心地が特徴です。Bizラインナップの中でも特に人気のある商品です。」

「軽く柔らかなレザー」をとことん追究し開発されたフェザータッチレザー。特殊な鞣しにより革自体にふくらみを持たせ数値的な軽量化を実現。また、仕上げ剤にこだわることで薄膜でソフトな味を持たせ、艶・手触り・ふくらみ感を調整して感覚的な軽さも表現。牛革でありながら羽根のように軽く柔らかいので、足に馴染みやすい素材だ。Biz-128はシルエットが美しいホールカットモデル。縫い合わせが最小限なので木型の完成度や職人の技術力が求められる。また通常よりも大判の革でなければ裁断できないので、状態の良い高品質な革を厳選している。カジュアルにも使いやすいシンプルデザインが魅力だ。靴底に入っているシャンク(金属製のダンパー)が足のアーチをフォローしてくれるので歩きやすく、足の疲れを軽減。また抗菌処理を施したライニングは通気性・透湿性に優れ、靴内環境を快適に保ってくれる。

【商品情報】スピングルムーヴ Biz-128
https://www.spingle.jp/fs/sneaker/biz-128-black

商品名:スピングルムーヴ Biz-128
価 格:18,000円(税抜)
カラー:ブラック
素材:カウレザー

いかがだっただろうか。
質の良いものを身に着けたい、持ち物にこだわりたいという意識を持つ人々に支持されるブランド"スピングルムーヴ(SPINGLE MOVE)"。毎月、多数のリペア依頼があるというお話からも、一度履いたら他は履けない、いいものを修理して長く履きたい、という靴の良さと、リピーターに愛されるブランドであることが分かっていただけたと思う。

他にないものを創りたい、という情熱から、長く履ける本当にいい靴を生み出し続けているスピングルカンパニー。長く履けるいい靴を探しているなら、ぜひこのお店へ足を運びたい。

お話を伺ったのは…
スピングルカンパニー 企画部 田上秀一さん
スピングルムーヴ銀座店 奥山和弘さん

店舗情報

SPINGLE MOVE銀座店
住所:東京都中央区銀座3-4-17 三徳ビル1F
電話:03-5579-9138 
営業時間:11:00〜20:00

公式サイト

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