質の良い日本製革靴を作るコストパフォーマンス抜群のブランド、”スコッチグレイン(SCOTCH GRAIN)”
1978年、日本のシューズメーカー「ヒロカワ製靴」がスタートした、同社のオリジナルブランド”スコッチグレイン(SCOTCH GRAIN)”。 スコットランド伝統の「スコッチグレイン」という穀物模様の革の名前に由来するブランド名を持ち、英国の伝統を継承したいという思いが込められている。素材である革へのこだわりはもちろん、170の工程を要する英国伝統のグッドイヤーウェルト製法で作られていることも有名で、ソール交換も可能な他、履き込むほどに足に馴染み、長く履くことができる。今回は、そんな同ブランドが2021年4月にオープンした「スコッチグレイン有楽町店 ファクトリーラボ」についてご紹介する。
靴づくりにおけるこだわりと追求の過程、結果を発表する「スコッチグレイン有楽町店」
「スコッチグレイン有楽町店 Factory Labアウトレット店」は、有楽町駅前の交通会館1階、マルイ有楽町に面した通りにある。英国風の店舗外観からは重厚な革の香りが漂い、外からでもクラフトマンシップが感じられる、どこかホッとする感覚のショップである。
自然光と優しい明かりが迎えてくれるこちらのショップは、今年2022年4月に1周年を迎えたところだが、なぜか昔からそこにあったかのような存在感。世界中の革素材にこだわる企画研究室的ショップ「ファクトリーラボ」として、"スコッチグレイン"が世界中から集めた高品質な素材や靴づくりにおけるこだわりと追求の過程、結果を発表する場としてオープンした実験的な店舗だ。普通のショップとは異なり、選りすぐりの素材を味わうことのできるスペースや、スコッチグレインの技術の一端を垣間見ることができるディスプレイも特徴的である。
なお「アウトレット」と銘打っているが、こちらは従来のアウトレットとは少し意味合いが異なる。一般的にアウトレットといえば、型落ちした商品やB級品、売れ残った在庫品というイメージがあるが、同ブランドでは、「創業当時の靴づくりに対する真摯な姿勢はそのままに、材料となる革をムダなく使い切るエコ視点の製品を取りそろえている」ということで、これらのエコな商品群を「アウトレット商品」として位置づけている。
一括して調達する革の上位をレギュラーショップ用、次の等級の革をアウトレット商品用に使う材料として選別。アウトレット店の商品は素材の特性を吟味し、それを魅力的に引き出す商品企画やデザインを行っている。“材料を使い切るためのアウトレット”という、エコ目線による製品づくりの意義が感じられるようになっているそうだ。それを体現するかのように、入って正面左には、型で切り抜いた革のディスプレイが。
こちらのショップでは、商品を売ることよりも、その良さを知ってもらうためのコミュニケーションに重きを置いているように感じた。聞きたくなる、そんな会話のキャッチボールのしかけが多く施されているのだ。入って右手には「店長おすすめコーナー」があり、人気のストレートチップなどが並ぶ。革靴デビューをしたい若者にはありがたい、「1足目」に最適なシューズが紹介されている。購入する側も選びやすく、店員さんも、その理由を述べやすい。
中央の棚には、製法に関するキャッチーなポップが並び、これまた会話の種となって円滑なコミュニケーションを築くきっかけとなる。面白いと思ったのは、カッティング技術でキズのある革を上手に使うモデル"マトリックスシリーズ"。ダメージのある革を逆手にとって企画された商品で、表面のカッティング加工がしゃれたデザインとして昇華されている。かなり手間のかかるつくりだが、革傷が出てしまう素材を生かしきる知恵のひとつだという。昨今叫ばれているサステナブル。エコ的な要素も含めた提案として時流に合う1足だ。
一昔前では、革靴というとカッチリしたイメージで、どちらかというと男性紳士のイメージだった。だが、現在では革靴はこんなに自由で、フォーマルながらカジュアルに履きこなす工夫が施されているということに驚きを感じた。品数は少ないが、レディースもののシューズも取り揃えているので、カップルで覗いてみるのもおすすめだ!
ショップ情報
スコッチグレイン有楽町店 Factory Lab
住所:〒100-0006 東京都千代田区有楽町2-10-1 東京交通会館ビル1F 103
電話:03-3213-4455 FAX:03-3213-4456
営業時間:平日・土 10:00〜20:00/日・祝 10:00〜19:00
・Access・
JR山手線・京浜東北線 有楽町駅〈京橋口・中央口(銀座側)〉より徒歩1分
※その他、東京メトロなどからもアクセス可能です。