1975年、自身の名を冠して立ち上げたフランスのファッションブランド"アニエスべー（agnès b.）"。フレンチカジュアルの定番として見られがちであるが、そのデザインは繊細かつ緻密で、着こなしにはなかなかコツがいることでも有名だ。日本へは1984年に上陸し、90年代にはパールボタン付きの綿メルトンのカーディガン「カーディガン・プレッション」やボーダーTシャツが爆発的な人気となったのを覚えていらっしゃる方も多いだろう。そんなファッションアイテムのイメージが強い同ブランドだが、実はシューズも人気アイテム。"アニエスべー"の洋服に合わせやすいことはもちろん、シンプルなフォルムながらインパクトのあるカラーリングと、細部へのさりげないこだわりが詰まったシューズは一見の価値ありだ。今回は、2018年12月にリニューアルオープンした「アニエスベー青山店」をご紹介する。

東京・青山の表参道からほど近い路地の先に、「アニエスベー青山店」がある。こちらは日本における旗艦店で、2階建てに地下1階のファッショナブルな外観で、2013年には「la maison d'agnès b. à Tokyo(東京のアニエスベーの家)」と名付けられ、リニューアルオープンを果たした。

入口に藍で染められた暖簾をくぐると、白を基調とした開放的な空間が広がっている。店内には商品だけでなく、デザイナーのアニエス自身が収集したアートが飾られ、さながらギャラリーのような雰囲気だ。無駄のないシンプルな店内にアクセントを加え、買物でおとずれる人を楽しませてくれる。地下には子どもたちが描いたタラ号ポスターコンクールの展示も。

そんなおしゃれな店内には、カラフルな商品がゆったりとディスプレイされているが、その足元に発見したのは、服を引き立てながら、自己主張も忘れない、秀逸なシューズたち。

こちらのユニセックスな白のスニーカーは、2001年に革新的なスケートボードシューズを発売し、以来大人のスケートシューズおよびドレスシューズを展開している米国カリフォルニア発のスニーカーブランド"クレイ（CLAE）"とコラボしたレザースニーカー。かかと部分には"アニエスベー"のアイコンでもあるボーダーを施した、シンプルかつオシャレ度の高いアイテムだ。白と黒の2色展開で、ハイカットシューズもある。お値段は22,000円とお得感がある。

また、こちらは履き心地抜群、夏のスタイリングに欠かせないエスパドリーユ。プラットフォームデザインで若干高さもありながら、ストラップが付いているため、安定感も抜群。上靴のようなレトロなデザインに、指し色になるようなネイビーとオレンジ、マスタード、カーキ、そしてブラックの5色展開で、どのカラーをチョイスしてもコーディネートが引き立つ1足に仕上がっている。

ヴィヴィッドなカラー使いでひときわ目を引いたのが、2015年にフランスで設立された、地球にやさしいフェアトレードシューズを作ることに力を注いるシューズブランド"Panafrica"とのコラボレーション スリッポンスニーカー。アフリカの伝統的なプリントを用いたシューズは、自己主張しながらも多様なカラーが不思議な調和をしており、使用しているカラーの多さから、洋服との合わせやすさ意外とよく、シンプルな着こなしにしっくりと合う1足だ。

いかがだっただろうか。
ファッションブランドのシューズは、服を引き立て、合わせやすさも考慮されたものが多いように感じる。シューズも自社開発にこだわらず、優れたシューズブランドの特徴と"アニエス"の魅力が相乗効果で魅力を増している。

「アニエスベー青山店」は、ギャラリーも併設されており、品揃えのみならずフランスへ行ったような気分も味わうことができる。
他の人が履いていないような、でもさりげなくエッジが効いてシンプルな靴をお探しなら、一度立ち寄ってみてはいかがだろうか。

agnès b. 青山店
住所：東京都港区南青山5-7-25　ラ・フルール南青山
電話：03-3797-6830
営業時間：11時00分〜20時00分（不定休）