フランスのプロダクトデザイナー、オリヴィエ・タコ氏によって2013年に誕生したブランド"iGUANEYE（イグアナアイ）"。その昔、「アマゾンの先住民はゴムの木から採った樹液に足を浸し、火で燻して固め、ゴム底にしていた」という探検家の記述からヒントを得て開発されたという画期的なモデル「ジャングル（JUNGLE）」は、瞬く間に世界中で話題となった。

オリヴィエ氏は小さい頃から裸足で歩くことが大好きで、“足をカバーするもの”の本質を突き詰めようと、2009年にiGUANEYEプロジェクトを開始し、サンダルでもゴムぞうりでもない、全く新しいフットウェア"イグアナアイ"「FS」を開発した。その情熱は並大抵のものではなく、この商品の開発には実に5年もの歳月を費やしたばかりか、その想いを形にしてくれる工場があるからと、家族でポルトガルに引っ越したほど。「#freemyfeet（足の解放！）」をコンセプトに、靴の窮屈さから足を解放し、裸足でいるかのように大地を感じ、どんな地面でも自由に歩き、走ることができる、まったく新しいフットウェアとして進化を続けている。今回は、そんな同ブランドが2014年に東京・青山にオープンした「イグアナアイ 青山本店」をご紹介する。

フランス発のフットウェア、"イグアナアイ(iGUANEYE)"。その世界第一号店として2014年9月にオープンした「イグアナアイ 青山本店」は、表参道駅からほど近い、細い路地に位置している。付近には「アニエス ベー 青山店」や「プリティバレリーナ青山店」もあり、どことなくヨーロッパの街角的な雰囲気が漂う。

ショーウィンドウを覗くと、アルゴリズムの手法を用いたというミニマルで近未来感の漂うストア空間が広がり、同ブランドのユニークなフットウェアがしっくりと馴染むようにディスプレイされている。「近代的な洞窟」をイメージしたという店内はドーム状になっており、「身体に宿る原始の記憶と未来のテクノロジーとを繋ぐ架け橋になる場」を提供しているとのこと。

サイズはユニセックス展開で、カラーはボディとインソールが各6色、計36パターンの組合せを楽しむことができる。新しいタイプのフットウェアゆえ、ネット通販でも展開されているものの、やはり一度フィッティングしてから購入したほうが、より自然な歩行を可能にしてくれる。プロダクトとして構造的な美しさを持ちながら、歩く人のエレガントな動きも可能にしてくれる。

フランスのフットウェア・ブランドが、世界第一号店として東京・青山を選んだのには、オリヴィエ・タコ氏が最初にインスパイアされたフットウェアが、日本の「足袋」だったことによるという。“ミニマリズム”を追求し、通気性が良く、制約を持たないフットウェアの開発を模索していく中で、まるで足袋の逆を行くような、親指とかかとのみを固定する、シンプル構造が出来上がった。

履いていることすらも忘れてしまいそうな新感覚のシューズを目指して作られた同ブランドの最新作「JUNGLE」は、裏面は足袋のような形で、足裏を保護するインソールに、親指とかかとのみを固定するボディパーツが装着されている。通常のサンダルやゴム草履にあるようなストラップが無く、最小限の構成要素となっている。

ボディには肌当たりがソフトなエラストマーが使われ、インソールにはEVAフォームという軽くて程よくしっかりした素材が使われている。靴底は土踏まずの部分が隆起していて、波状の凹凸は足裏でも感じることができる。固定箇所が少ないにもかかわらず、快適に歩行ができ、蒸れにくく、裸足のような解放感を味わうことができる。外歩きのほか、室内履きとしても適しているように思う。

新感覚のフットウェア、イグアナアイ。
その履き心地を確かめに、ぜひ青山店を訪れていただきたい！

iGUANEYE Aoyama Main Store
住所：〒107-0062 東京都港区南青山5-6-14
電話：03-6427-2703
営業時間：11:00〜20:00
定休日：月曜日　※祝祭日を除く冬季期間中　（11月～2月）