"キッカーズ (Kickers)"は、1970年初頭にフランスでダニエル・ラウファストによって創設された。ブランド創業のきっかけは、ダニエルがある日通勤途中の掲示板に貼り出されていた、アメリカで大ヒットを収めたミュージカル ”HAIR”の ポスターに目を奪われたこと。そこにはジーンズと鮮やかな色彩のシャツをまとった裸足の若者たちが描かれており、このポスターにインスピレーションを得て、若者たちの新しいライフスタイルに見合った新しい靴のコンセプトを開発した。これをもとにデザイナーJacques Chevallereauによって制作された最初の ”ジーンズブーツ” は、ヌバックレザー製で通常の靴よりもショートブーツに近いデザイン、天然ゴムで作られた丈夫な クレープソール。 アイレット、コントラストスティッチ、パネルやアップリケは見事にジーンズとマッチし、これまでの靴とは全く違った斬新なシューズとして、フランスでの販売開始からわずかワンシーズンで成功を収めた。月間の生産量はわずか300足だった生産能力は、瞬く間に12,000足にまで上昇。それに続きドイツでも成功を収め、1974年には海外70ヶ国以上の 国で販売されるようになった。2010年でブランド創設40周年を迎え、フランスでは子供靴のトップブランドとしてその地位を確立している。

シンプルかつカジュアルで、ジーンズスタイルに合うようにデザインされているフランスのシューズブランド"キッカーズ (Kickers)"。ヨーロッパではカジュアルシューズブランドとして、幅広い世代に認知されており、靴底には、左足の靴底にレッド、右足の靴底にグリーンのドットがすべてのシューズに取り付けられている。また、靴にはフランスのデザイナーが桜をイメージしてデザインしたタグが付けられており、このタグが本物の証として認識されている。1980年代、キッカーズの靴はイギリスの子どもに非常に人気で、多くの子供たちは、花の形のタグを集め、そのタグがついていないと本物のキッカーズだと信じなかったというエピソードも。また、そのファッション性の高さから映画『KILL BILL』に使用されたり、イギリスのロックバンド『ザ・ストーンローゼス』『ザ・ファーム』などが、CDジャッケットに起用したりしていた。