マドラス(madras) ーブランド図鑑 vol.18

1946年にイタリア・ヴェネツィア郊外のバッサノで誕生し、1965年より日本に上陸したシューズブランド、"マドラス(madras)"。イタリアの伝統的なクラフトマンシップを継承しながら、現代の洗練されたデザインを取り入れ、日々進化し続ける靴づくりを行っている。今回はそんな"マドラス(madras)"をご紹介する。

1946年にイタリア・ヴェネツィア郊外のバッサノで誕生し、1965年より日本に上陸したシューズブランド、"マドラス(madras)"。イタリアの伝統的なクラフトマンシップを継承しながら、現代の洗練されたデザインを取り入れ、日々進化し続ける靴づくりを行っている。今回はそんな"マドラス(madras)"をご紹介する。

目次

ブランドのなりたち

"マドラス(madras)"は、1946年にイタリア人 バレンチノ・ピコロット氏が、ベネチアから北西に約50km郊外のバッサノ・デル・グラッパという街に靴工場を作り、バレンチノ・マドラス社を創立したことに始まる。その後特許取得などを経て、イタリア有数の高級靴メーカーへと成長した。その後、1965年(昭和40年)に日本の旧:亜細亜製靴株式会社(現:マドラス株式会社)との技術提携を行い、日本にmadrasブランドが上陸。同社は1921年(大正10年)に創業し、世界に先駆けてグッドイヤー・ウエルト式の靴を製造していた日本の老舗靴店で、その後1994年にイタリアのバレンチノ社より全世界におけるマドラスの商標権を譲り受け、現在に至る。

マドラス公式サイトより 1952年には全国靴コンクールで優勝した1足

出典:https//www.madras.co.jp

マドラス(madras)について

シャープでエレガントなシルエットながらも、日本人の足にフィットする本物の履き心地にこだわり、GORE-TEXRファブリクスなどの革新的機能も取り入れて日々進化し続けているブランド、"マドラス(madras)"。イタリアで生まれたこのブランドが、1965年 (昭和40年) に日本の老舗靴メーカー(現:マドラス株式会社)と出会い、技術提携をするに至ってから1994年に全世界のマドラス商標権を譲り受け、今日のように世界中で愛されるブランドになったことは、本当に幸運な出会いによる賜物であった。

「アジア製靴(現:マドラス株式会社)」は、1873年 (明治6年) に創業してから世界に先駆けグッドイヤーウェルト製法を導入した日本の靴メーカーの老舗である。試行錯誤で磨き上げた靴づくりの技術は、顧客はもちろん、同業他社からも称賛されるほど。全国靴コンクールを連続優勝したことや、現在でも履きこなせるほどモダンで気品溢れるデザインがそれを物語っている。1965年 (昭和40年)に靴づくりの本場であるイタリアの生産背景や確かな技術を学ぶため、当時、最大の規模を誇ったマドラス社の工場を視察したことをきっかけに、新たな挑戦としてマッケイ製法の技術を学び、後に“マッケイ縫いのマドラス”と呼ばれるように、同社の根幹となる靴づくりが始まった。手探りでスタートしたマッケイ製法での靴づくりは、グッドイヤーウエルト製法に精通した職人たちにとって“まったく違う”感覚で、ゴツくて重厚なグッドイヤーウエルト製法の靴とは対照的に、スマートで軽快なマッケイ製法の靴を再現することに非常に苦戦した。一時は生産数が落ちるほどだったという。しかし、「品質の良い世界一の靴を作ろう」という想いのもと、職人のたちのこだわりと努力が実を結び、アジア製靴が生み出すマッケイ製法の靴は徐々に支持を集めていった。

マッケイ製法の特長である、軽さと足への馴染みやすさに加え、日本人に合った快適な履き心地を追求したことと、提携を通じ、国際的なデザイン感覚やセンスを身に付け、ニーズを捉えた美しい一足を次々に生み出したことが理由で、美しく、履き心地に優れたマッケイ縫いによる革靴ブランド「マドラス」は、1ブランドの枠を越えアジア製靴の代名詞と言える存在にまで成長し、今日に至る。

マドラス(madras)公式サイト

全国のショップ一覧

この記事を読んだ人におすすめの記事

    合わせて読みたい