アメリカのフットウエアブランド"オールバーズ（ALLBIRDS）"は、元プロサッカー選手のティム・ブラウンと、再生可能エネルギーの専門家 ジョーイ・ズウィリンガーによって、2016年3月にサンフランシスコでスタートした。同ブランドの人気は世界で最も巨大なハイテク、イノベーション、ソーシャルメディア企業の集積地であり、また何千というスタートアップ企業がひしめく街・シリコンバレーから火がついた形となったが、それは同ブランドがクラウドファンディングで12万ドル（約1296万円）を集める中で、そのアイディアに共感を呼び、知名度を上げることに成功したからだ。"オールバーズ（ALLBIRDS）"は、時代の申し子のような、今最も勢いのあるフットウエアスタートアップである。

創業者の一人、ティム・ブラウンはメリノウール原産国の1つであるニュージーランド出身で、そのユニークな特性に着目。高い除湿性を持ちながら通気性に優れ、夏でも涼しい一方で保温性にも優れるメリノウールを使った靴が存在しないことに疑問を抱いた。長年の研究と実験ののち、再生可能エネルギー分野のエンジニアであり専門家である、ジョーイ・ツウィリンジャーとチームを組み、靴用に特別に作られた革新的なウール素材を開発することに成功。極力装飾を取り除いたシンプルなデザイン、メリノウールなどの天然素材による快適な履き心地による靴は人気となり、タイム誌に「世界で最も快適な靴」と称されるまでになった。今回は、そんな同ブランドが2020年1月にオープンした「オールバーズ原宿」をご紹介する。

「オールバーズ原宿」は、JR原宿駅から徒歩1分、駅のほぼ向かいに位置している。「スケッチャーズ原宿店」の隣に位置する、縦に長いコンパクトなショップだ。駅から向かうと少し下り坂になったところにある同ショップは、歩いていくとガラス張りになったショップが横からよく見えるようになっている。

カリフォルニアらしい、カジュアルでリラックスしたショップだ。ショップの看板は手書き風だし、エントランスの正面には、苔をまとわせた巨大なデジタルフォトフレームのようなディスプレイが設置され、オールバーズの所以たるニュージーランドらしい雰囲気。

廊下のようになっているショップの、グレーを基調とした壁側には、シリーズごとにシンプルなディスプレイが施されている。赤い試着用チェアの向かいには、小さなクラウド（雲）型の鏡が立てかけてあり、とてもポップで可愛らしい。木をかたどった姿見もある。無駄な装飾は一切省かれ、自然を象ったディスプレイは、まさにブランドコンセプトでもある「サステナブル」を明確に体現しているショップだ。無駄なものが一切なく、洗練されたミニマルさは、シリコンバレーのベンチャーらしい、自由で生き生きとした雰囲気が感じられる。

シューズラインは素材ごとに設けられており、メリノウールを使用した「ウール」、ユーカリの木から作られる「ツリー」、サトウキビから作られる「シュガー」などがある。ペットボトルからリサイクルされた素材なども使われており、地球に寄り添ったコンセプトであることも非常に共感できる。商品によっては、ライフサイクル全体で見たときに、二酸化炭素（CO2）の排出量と吸収量とがプラスマイナスゼロの状態になることを指す「カーボンニュートラル」も実現している。そんな同ブランドのアイコンモデルは「Wool Runner（ウールランナー）」。触れてみると、"サクッ"とした肌触りが特徴で、とても軽い。こちらは防水加工がされていないが、同じラインの「Wool Runner Mizzles（ウールランナー・ミズル）」は撥水加工がされているとのこと。

まるでソックスのような外観のバレエシューズも！
こちらはユーカリの木から生まれた、シルクのような肌触りの1足。

グーグル共同創業者のラリー・ペイジ氏や俳優のマシュー・マコノヒー氏なども愛用しているという"オールバーズ（ALLBIRDS）"。原宿へ来たら、ぜひ立ち寄ってみていただきたい！

Allbirds 原宿
住所：東京都渋谷区神宮前1-14-34 原宿神宮の森ビル1階
電話：0800-080-4054
営業時間：11:00~20:00（不定休）