自分で対処できる革靴のカビ
まず確かめたいのがカビが生えてしまった革靴が自分で対処できるかどうかです。スムースレザーと呼ばれる種類の革靴なら表面にだけカビが生えることが多いので自分でケアできる可能性が高いです。
しかしスエードのように靴の内部にまでカビが浸透している場合やエナメル素材は、クリーニング専門店にお願いする必要があります。スムースレザーでも、中やキワの部分にカビが浸透している時は、はじめから専門家に任せるほうが無難です。
カビの生える原因は靴の中や靴底部分に雑菌がつきそれを餌にカビが繁殖することです。特に湿気が溜まりやすい靴はカビの格好の場所になるわけですね。また革靴は動物の皮を素材にするためよりカビの温床の原因になります。そして白カビと黒カビの2種類があり、靴の表面に生えるカビは白カビで、皮の中にまで繁殖するのは黒カビになります。ですので黒カビは厄介で素人ではなかなかケアすることが難しいのです。まずは自分の革靴の素材やカビの生え具合を確かめてから手を加えましょう。
カビ落としのために用意するもの
カビを落とすためにはいつものお手入れ道具の他にも用意する必要なものがあります。普段のお手入れに加えて必要なのは低刺激のアルコールとそれ用の布、そして油性ワックスの3つです。
・低刺激のアコール
・布(アルコール拭き用)
・綿布(乳化性クリーム用)
・新聞紙
・靴用ブラシ
・ベネトレイトブラシ(歯ブラシでも可)
・靴用クリーム(乳化性のもの)
・油性ワックス
カビが生えた革靴のお手入れ方法
では早速カビを落とすお手入れ方法をご紹介します。
・革靴の靴紐等を外す
靴紐など余計なものは外した状態にしておきましょう。
・アルコールでカビを落とす
アルコール用の布を湿らせ固く絞ります。そして布にアルコールを吹きかけます。この時使用するアルコールは必ず低刺激のものにしてください。高濃度だと革靴の色落ちの原因になるのです。革靴の目立たない端の方から拭いていき、色落ちがなければ全体的にアルコール拭きします。靴紐にカビがあるようならそれも拭きます。
・新聞紙を詰める
つま先に新聞紙を丸めて詰めます。型崩れを起こさない程度で皺が伸びるくらいに押し込んでください。吐き口から新聞紙が見えるくらいにすると除湿効果も高くなります。新聞紙がシューキーパーの役目を担い型崩れを予防します。
・風通しの良い日陰で乾かす
風通しの良い日陰部分につま先を上にして立てかけるように1~2日放置します。太陽光で乾かすとひび割れなどの原因になるのでやめましょう。
乾いたらスペシャルケアを施す
革靴がしっかり乾燥したら月に一度のペースで行うスペシャルケアで磨いてあげましょう。
・靴用ブラシでホコリを除去
・靴用クリーナーで汚れを除去(汚れがひどい場合のみ)
・ベネトレイトブラシ(歯ブラシでも可)で乳化性クリームを塗布
・綿布で乳化性クリームを薄く広げる
・綿布で油性ワックスをつま先、かかと、靴底の縫い目など部分的な場所だけ塗布
・最後に靴用ブラシでさっと艶出し
カビの対処でやってはいけないコト&気をつけたいコト
自分でカビ落としをするときにやってはいけない注意事項もあります。
・カビの生えた革靴を水で洗わない
一面に生えたカビを水の力で一気に落としたくなりますが、これはカビを喜ばせる方法になってしまうためNGです。
・雨に濡れたら除湿する
雨は水分なので革靴にとって天敵です。雨に濡れた時に対処法を講じてカビ対策をしましょう。
・シューズクローゼットも除湿
せっかくカビを落としても靴を仕舞うシューズクローゼットの湿度が高ければ意味がありません。保存前にしっかり除湿しておきましょう。1日に10分間扉を開けて風を通すような習慣をつけます。
NGを避け正しいお手入れで革靴は復活する
今回は革靴にカビが生えてしまった時の対処法をまとめましたが、いかがでしたか?
まず自分で対処できる種類の革靴なのかを確かめます。そしてカビを元気にさせないように水分に気をつけてケアしてあげましょう。そうすれば革靴を復活することができます。スムーズレザーでもカビがひどい場合は、最初から専門家にお願いすると良いでしょう。