ビジネスシューズのルーツは森にある
ビジネスシューズのルーツであるゲルマン人達の革のブーツは、足元に何があるか分からない森の中で長く歩き続け、獲物を見つけては走って追いつめる為にぴったりの丈夫さと保温性を持っていました。
革製である点にも注目したいですね。
狩猟によって仕留めた動物の革を使えるという点もありますが、やはり布製などよりも圧倒的に耐久力があったというのが大きいです。
雨などの水にも強く、布製に比べて破れづらいのは森を歩くのに最適です。
やがてその高い機能性は多くの民族に広まり、どんな場所でも戦う男たちの定番の靴となったのです。
ブーツからシューズへと切り替わる
ブーツは様々な環境に対応しやすく、また足首までがっちりと守ってくれるので実用性は高いのですが、いかんせん着脱に時間が掛かってします。
そのため、狩りへ出掛けるような時代が終わり、農耕や畜産が中心となり、今のように街で歩くための革靴として、ブーツから短靴へと変わっていきました。
やはり、ブーツでは忙しいビジネスマン向きとは言えませんし、また暑い地方、乾いた土地ではさすがにブーツは使い勝手が悪いという欠点もあり、街でビジネスを行う人達を中心にビジネスシューズは基本的に短靴が主流となりました。
戦う場所が森から街に変わった事で、今のビジネスシューズのような形状が主流になったということですね。
日本でのビジネスシューズの始まり
今でこそ、日本においてもビジネスシューズは一般的なシューズとして存在していますが、日本では靴自体の歴史が西洋に比べると浅いと言われています。
江戸時代後期から明治にかけて、諸外国との交流によって靴が輸入されるようになりましたが、富裕層やその時代で言えば西洋好きな人の間で使用されていた程度でした。
しかし、大正時代から一気に工業化社会が進み、ビジネスシューズは一般にも広がりを見せました。
その頃のビジネスシューズでは、牛革などはまだまだ高価で、代替革としてサメやクジラの革を使ったシューズが安価で広まっていました。
サメやクジラのシューズってなかなか想像できませんよね。
その後、工業化が進み製造の簡単になり、また畜産業が大きくなったことで日本でも牛革などを使ったビジネスシューズが一般的にも使われるようになりました。
森や平野で戦う男の靴から街で戦うサラリーマンの靴へ
中世の時代から戦う男の足を守り続けたビジネスシューズ。
今でも戦う場所は違えども、ビジネスシーンで戦うサラリーマンの必需品として大きな価値を持っています。
森ではなく、ビル街というコンクリートジャングルであちこちへと歩き回るサラリーマンの足を守るという大事な役割を持ったビジネスシーンは、戦う男のためのシューズと言えるでしょう。
まさに、ビジネスシューズの歴史は戦う男の歴史でもあるのです。
戦う為には早く走り、長くを踏破しなければなりません。