カウボーイという言葉の由来は、「牛泥棒」です。それがやがて、牛をアメリカの大陸南部、西部、中西部へと追いたて、集めていく労働者を指すようになりました。馬に幌馬車を引かせて、ロングドライブをするのです。
時代とともに、カウボーイの歴史も変わり、現在では牛を扱う職業全般をカウボーイと呼んでいます。そんな彼らの足元に注目しました。
ウエスタンブーツは劇の中だけ?
ウエスタンブーツは、別名カウボーイブーツと呼ばれています。西部劇の中だけではなく、実際のカウボーイも履いています。
尖った先端は、馬のあぶみに足を通しやすくするため、高めのかかとは落馬した時にブーツを抜けやすくするためと、工夫が凝らされています。
馬に乗るカウボーイにしてみれば、ウエスタンブーツは生死を分ける大切なシューズ。西部劇に登場するウエスタンブーツは、装飾が施されています。ここから、ウエスタンブーツの装飾が一般的になりました。
ウエスタンブーツがファッションアイテムに
アメリカの西部開拓初期には、手作りのウエスタンブーツがほとんどでした。1860年代に入ると、ブーツの大量生産が始まります。その中でも、ウェリントンブーツが、アメリカのカウボーイが履くブーツとして、主流になります。
やがて、カウボーイたちは作業する以外にも、街を歩くためにドレスブーツを履くようになっていったのです。
1850~60年頃発売されたアメリカファッション誌では、装飾的なステッチや細工が施されたカウボーイブーツを紹介しています。
ウェリントンブーツってどんなブーツ?
カウボーイブーツの歴史を語る上で、欠かせないキーワードでもあるウェリントンブーツ。アメリカのカウボーイの大半が、履いていたとされています。
日本で言えば、長靴、ゴム長といったところです。
「ランチ(牧場)ウェリントン」、「ウェスタン(西部)ウェリントン」と呼ばれる革靴を総称して、ウェリントンブーツとする場合があります。また、ランチウェリントンは、元々のウェリントン・ブーツを下敷きにした、元祖のウエスタンブーツです。ですが、かかとも低く、装飾は施されていません。
まとめ
カウボーイに代表される、アメリカの古き良き時代をほうふつとさせるカウボーイブーツ。仕事では華美に装飾したものよりも、実用面を重視していたようです。時代の移り変わりとともに、カウボーイブーツは凝ったデザインのものが増え、女性も履くファッションアイテムになっています。ですが、本来はカウボーイの命を守る大切なブーツなのです。