人類がいつから靴を履くようになったのか不明ですが、棘や石などが多い硬い地面で生活する人間たちにとって、靴は足を守ってくれるかけがえのない存在だったことでしょう。
2008年、学生によって発見された革靴は、その後の調査によって世界最古の靴であることがわかりました。それまでの靴の起源を一気に1000年も塗り替える大発見です!
靴の歴史
考古学の国際調査チームは2日、2008年にアルメニアの洞窟(どうくつ)で発見された革靴について、約5500年前のものであることが判明したと発表した。
2008年にアルメニア共和国内の洞窟内で発見された革靴は、その後の調査により紀元前約3500年前の世界最古の革靴であることが判明しました。
洞窟内が低温で乾燥していたことから、完璧な状態で発見された革靴。
いったいどんな人が履いていたのでしょうか?想像が掻き立てられます。
アルメニアとは
トルコ、グルジア、アゼルバイジャン、イランに囲まれたアルメニア共和国。
人口約310万人。公用語はアルメニア語です。
間にコーカサス山脈があり、山がちな地形で、様々な宗教、言葉を話す人々が複雑に入り組んでいる地域として世界的に見ても民俗学的に非常に興味深い地域と言われています。
アルメニアの洞窟で見つかった靴とは
アルメニアの歴史は古く、メソポタミアの一部の「アルメニア高原」は、世界最古の文明発祥の地の一つと言われ、200万年前までさかのぼることができる前期旧石器時代の石器なども複数出土しています。
そんなアルメニア共和国の洞窟内において2008年に発見された靴は、その後研究者の詳しい調査によって今から約5500年頃前の紀元前3500年頃に製作された靴とわかりました。
これは、現代に通じる靴のルーツとして認められています。
現存する最古の靴は2008年にアルメニアの洞窟で発見された紀元前3500年ごろの革の紐靴とされている
見つかった靴は牛革製の片足分で、靴ひもが付いており、履く人の足にフィットする形に作られている。サイズは長さ24.5センチ、幅7.6─10センチほど
見つかったのは片方のみ。
現代の欧州サイズで37相当とのことなので、24・程度と現代の男性用としてはかなり小ぶりですが、当時の男性の身長を考えると合うそうです。
どんな人が履いていたのか、とても興味深いですね。
まとめ
2008年、アルメニアの考古学専攻の学生たちが発掘作業中に、発見した革靴。
その後アメリカとイギリスの研究者によって調べられた結果、それまでエジプトピラミッドで見つかった世界最古と言われる靴より更に1000年以上古いことがわかり、大発見となりました。
片方の靴のかたわらには、壊れたツボと羊の骨も見つかったそうです。
どんな人がこの洞窟を訪れ、靴片方と壊れたツボ、羊の骨を置いていったのか・・・ロマンが膨らみます。