スニーカーを労働者階級の動きやすい靴から、若者憧れのアイテムへと変えた「エア・ジョーダン」。その軌跡を振り返ります。
高度成長期も終わり、消費は個性化・多様化の時代へ。
2015年のネット社会における、嗜好の細分化。その萌芽ともいうべき時代が、80年代でした。
モーレツな経済発展を終え、どこかマンネリした空気に満ちた、飽和状態の消費社会。そこに到来したのが、スニーカーブームです。
空前絶後のスニーカー「エア・ジョーダン」。
70年代後期に、アメリカの若者たちがスポーツシューズから乗り換えたのをきっかけに、瞬く間に世界のスタンダードとなったスニーカー。
そのムーブメントの象徴にして、スニーカーをただの靴・履物という括りから、コレクションとしての付加価値を付け、高価なブランド品として昇華させていったのが、空前絶後のスニーカー「エア・ジョーダン」です。
コレクターの間では数十万・数百万円で取引されたケースも!
マイケル・ジョーダンのスポンサーであったNIKEが、このNBAきってのスター選手とのコラボレーションによって1984年に発売した件のバスケットシューズは、瞬く間に爆発的人気商品となり、アメリカのみならず、日本でも売り切れが続出。
コレクターの間で何万、何十万円という値段で取引されたほどでした。
まとめ
「エア・ジョーダン」の大ヒットには、マイケル・ジョーダン本人の人気や、ストリートファッションの流行など、様々な因子がかみ合った結果と言えます。
そして、やはりそこには、商品の付加価値を見出し共有する、今の消費社会に通ずる、若い世代を中心とした、消費者側のエネルギーがあったのではないでしょうか。