2009年の3月、東京・吉祥寺にスタートしたセレクトショップ「ジ・アパートメント（The Apartment）」。時代が変わっても色褪せないアメリカ東海岸のインポート、90'sデッドストックや古着を、独自の感覚で現代的にMIX。カルチャーと密接にリンクしたファッションを提案している。今回は、都心から離れた吉祥寺にありながら、セレクトショップとしての拘りとセンスが素晴らしく、国内外から目利きが絶えず訪れる名店として有名な同ショップについてご紹介する。

JR中央線・吉祥寺駅。北口を出て徒歩6分、井の頭公園とは反対方向、平和通りを進んで吉祥寺大通りを横切り、みその通りを進むと、右手に見えてくる昭和を感じさせる住宅の1階に立ち並ぶショップの一角にある、ひときわ目を引くイエローの看板が目印だ。

こちらのショップを主宰する大橋高歩（おおはしたかゆき）氏は、ヒップホップをはじめとした米国・東海岸のカルチャーに精通する人物で、路上で生まれるコミュニケーションや文化に深い敬意を払う、現代のストリートにおけるキーマンのひとりである。InstagramやYouTubeで発信されるスニーカーよもやま話などの情報からは、同ショップの、スニーカーや、それを取り巻くカルチャーについての深い造詣が伝わってくる。店内には、早くも春物が入荷。

ショップは12時から開店し、夜の20時まで。まるでそこだけニューヨークのような佇まいの絶妙に雑多な店内は、コンクリート地に木目が美しい床と什器、ここにもイエローが差し色に使われている。左右にアパレル、そしてシューズ。YouTubeやブログで紹介された商品も発見し、気持ちは否応にも高まる。近年はオリジナルブランドのみならず、 国内外の企業とのコラボレーション・アイテムも手がけており、その完成度の高さから毎回話題をさらっている。

もともとは、ヒップホップミュージックを好きになり、そのカルチャーの中に洋服があったという大橋氏。コミュニティミュージックであるヒップホップは、そのコミュニティから成りあがったらコミュニティに還元するという考えがあり、そういったロールモデルから、"吉祥寺で仕事をして吉祥寺に還元する”という意識をお持ちだそう。ショップは2022年で13周年目を迎え、街の中でのコミュニティスペースとして親しまれている。

90年代のストリートカルチャーを軸に、 現在進行形のニューヨーク・カルチャーとリンクしながら アパレルや雑貨を提案している「ジ・アパートメント」。その根底にあるのは、地元・吉祥寺への思いだ。ブログやインスタグラムでは、地元で交流のあるショップの紹介も多く、このショップを訪れる人が、他のショップにも気軽に立ち寄ることができるように心配りがされている。

そんな同ショップ、都内からは少し距離があるが、それでも訪れてみたいショップである。
立ち寄る場合は、ヒップホップの精神で、ぜひ吉祥寺の他のショップにも足を運んでみていただきたい！

The Apartment
住所：東京都武蔵野市吉祥寺本町1-28-3ジャルダン吉祥寺106号
電話：0422-27-5519
営業時間：12:00～20:00