1829年にジョゼフ・トリッカー氏が設立した、英国・ノーザンプトン最古のシューファクトリー"トリッカーズ（TRICKER'S）"。当時は農地や不動産を所有する紳士階級向けに靴やカントリーブーツを製造するところからスタートした英国を代表するビスポークのシューズブランドで、100年以上を経た現在も「英国のカントリーブーツといえば、"トリッカーズ"」というくらい世界的に有名である。

その長い伝統とクオリティから、グッドイヤーウェルト製法を採用している代表的なブランドで、260もの独立した工程を経て完成するシューズはもちろんハンドメイド。「ベンチメイド手法」と呼ばれる、1人の職人が最初から最後までの製靴工程を受け持つ手法を用いており、裁断・縫製・ラスティング・ウェルティング・フィニッシング・磨き といった1つ1つの工程に、長年の経験や熟練を要する職人技が凝縮されている。素材へのこだわりも惜しみなく、アッパー・レザーには、上質なカーフスキン(子牛のレザー)のみを使用、ソールにはオーク(広葉樹)の上質な皮が採用されている。今回は、そんな同ショップが2019年4月にオープンした「トリッカーズ青山」をご紹介する。

ブランド創立190周年を機に2019年4月にオープンした「トリッカーズ青山」は、日本のジャーミンストリートとも言える青山・骨董通り沿いに存在している。こちらは1927年にロンドンにオープンした「Trickerʼsジャーミンストリート店」に続く世界2番目の、国外初となるショップである。骨董通り沿いの靴屋巡りをするとき、表参道駅から骨董通りを歩くならば、「レッドウィング青山」を過ぎてすぐのところにある。周囲の雰囲気に溶け込みながらも、看板の紋章が格調高さを物語り、一瞬入るのを臆するほどであるが、昨今の3密対策でショップのドアは開け放たれており、いつもより足を踏み入れやすい。

店内右側には消毒用のアルコールも設置され、対策もばっちりである。

同ショップは本格的英国シューズショップとして、本格志向の顧客向けに、ジャーミンストリートにある1号店のスタイルを忠実に再現し、格調高い店構えと販売スタイルを実現。エントランス上部に飾られたノーザンプトンの紋章とロイヤルワラントの紋章は、ノーザンプトンの工房で作りシッピングしたもので、店内の木製に青い革製のフィッティングチェアもジャーミンストリート店で使っていたものをきれいに修復して使われている。店内のインテリアも、英国の雰囲気そのもの。"トリッカーズ"における購買シェアが英国に続く第2位である日本では、"トリッカーズ"の靴から醸し出される歴史、ストーリー、モノ作りの哲学の理解が深く、相性も良いと言われている。そんな同ブランドの世界観が感じられるショップに仕上げられている。

さらに近年ブームとなっている“サステイナブル”。少し値が張っても良質なものを選択して長く着用するというムーブメントが定着しつつある昨今、グッドイヤーウェルト製法による"トリッカーズ"の靴は、アウトソールを替えれば何十年も履くことができ、とても“サステイナブル”だ。このショップでは、定番・新作コレクションはもちろん、青山店限定商品の展開や、パターンオーダーコーナーを常設しており、"Trickerʼs" シューズのメンテナンスはもちろん、純正リペアサービスも提供してくれる。

店内にはウィメンズ商品の展開もあり、カントリーコレクションのブーツやシューズを中心に、パターンオーダーコーナーではメンズと同様に好みのレザーを選んでの注文も可能だ。別注モデルも登場するなど、女性ファンにも嬉しい品揃えとなっている。

先が見えない時代だからこそ、より確かなものを選びたいニーズも高まっている今。
人生のパートナーとしての"トリッカーズ"を求めに、ぜひ青山店へ。

トリッカーズ青山店
住所：東京都港区南青山5-4-27
電話：03-6805-1930
営業時間：11:00〜20:00（無休）