NHK朝の連続テレビ小説「べっぴんさん」では、主人公のすみれ(芳根京子)の生家・坂東家に出入りする靴職人麻田茂男(市村正親)が登場しています。すみれは、幼い頃から麻田の丁寧で実直な仕事ぶりを目にしており、後々この体験がすみれをものづくりの道へと導いてくれるのです。今回は朝の連続テレビ小説でも注目された靴職人の仕事ぶりをご紹介します。

ドラマではその実直な仕事ぶりが丁寧に描かれます

「あさや」の店主麻田茂男を演じる市村正親さんは、このドラマの撮影のために神戸の靴職人の元で作業の稽古を受けています。ドラマの中では、足踏みミシンを使った縫製、木型に製甲を吊り込む作業やすくい縫いなど手製靴の様々な作業を実際に市村さんが行っています。靴職人の麻田は、すみれが幼少期の頃から坂東家に出入りし、父や母、娘たちの靴を1足1足丁寧に作り上げていきます。その様子にすみれは夢中になりましたが、その丁寧な動きの美しさに視聴者も釘付けになりました。

後にすみれは嫁入り道具で麻田にハイヒールを作ってもらい、後に生活に困ったこのハイヒールを「あさや」に売りに来ることですみれと麻田は再会します。その時にすみれが麻田に美しい刺繍が入った手作りの写真ケースを見せたことで、後々の手作り雑貨販売へとつながっていきます。

モデルとなったのは神戸の靴店「モトヤ靴店」店主の元田蓮氏です

NHK朝の連続テレビ小説「べっぴんさん」に登場する「あさや」と店主麻田茂男のモデルは、神戸センター街にあった「モトヤ靴店」とその店主の元田蓮(もとだれん)氏です。元田氏は腕のいい靴職人で、すみれのモデル坂野惇子の生家佐々木家に出入りしていました。そして「モトヤ靴店」は、当時「神戸靴」と呼ばれたハンドメイドの靴も手がけており、「モトヤ靴店」の神戸靴はとてもお洒落で履きやすいと評判でした。

草履や下駄などを作る職人が、神戸に住んでいる外国人たちの靴の修理をしたり新しく作ったりしたことから神戸の靴の歴史は始まりました。神戸は外国人が多く住んでいたことから彼らの靴を作るための靴職人が数多くいました。大きな靴工場もあり、当時は「神戸屋製靴所で修行しないと靴職人として一人前ではない」といわれたほどの靴の街でした。神戸の人たちも外国文化の影響で靴好きな方が多く、大阪が「食い倒れの町」といわれたのに対して、神戸は「履きだおれの町」と言われていました。そんな靴好きな神戸の人々の間でも「モトヤ靴店」は評判のいいお店だったのです。今でも「神戸シューズ」と呼ばれる原産地が神戸で、縫製や裁断なども神戸シューズブランド化運営委員会による規定をクリアした靴が販売されています。靴職人の仕事ぶりは脈々と現代にも受け継がれているのです。

普段は見えない靴職人の仕事ぶり

靴職人の主な仕事はオーダー靴を製作することです。オーダーで靴を作る方は靴にこだわりがある方や、一般的な靴では足に合わないなど悩みを抱えている方も多くなっています。そこで靴の色や素材、デザインはもちろんですが、足の幅や長さ、高さなどのサイズを丁寧に計った上で足にぴったりの靴を仕上げるのが靴職人の仕事です。

オーダーメイドで作った靴の修理や補修はもちろん、手作りの靴教室を開いているところもあります。靴は普段何気なく履いているかもしれませんが、思っている以上に生活に密着し一人一人全く違います。よく歩く人、車に乗ることが多い人、自転車に乗る人、たった一つの行動パターンを見ただけでも人によってバラバラです。そんな細かなところまで考えられた生活に沿った靴を作ってもらえるのも、靴職人によるオーダーメイドならではです。

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